腰痛に伴う下肢の症状について

その他の負傷

腰椎と下肢関節との連係について

腰痛には、下肢に痛みやしびれを伴うなど随伴症状が発生することがあります。
期間限定的な場合と恒久的な場合とがありますが、ここでは期間限定的な場合についてお話します。
前の記事で書いたように、腰は腰椎だけで見るものではありません。
リンケージ(連係)と言って骨盤の関節、股関節、膝関節・・・と互いに関わりながら、どんな体勢をとっても重心が守れるようバランスするシステムを持っています。
このバランスは制御工学などで研究させる機械のバランスとほぼ同じバランスです。
制御工学ではロボットなどのとても複雑なバランスを計算をコンピューターを使ってしますが、人には同等以上のシステムが備わっています。
人の支持組織は腰椎などの硬い組織と筋肉などの軟かい組織で構成されていますが、腰椎には多数の関節があり、各関節の自由度を合わせると、腰全体では大きな動きができます。

馬尾神経のけん引について

一方で、腰椎内部には脊柱管が存在し、この細い管の中に馬尾という脊髄神経から続く神経の束が存在しています。この束は、それぞれが脊柱管から管外に伸びて腹腔内や下肢筋層へ張り付いています。
つまり、脊柱管内のある神経は腹腔内と下肢へ張り付いているのですから、腰椎のズレの方向や椎間板損傷の形によってけん引されてしまいます。
また、その後の長い時間経過でこのけん引から逃れるべく腰全体の形状を変形させていくことも考えられます。
神経はけん引を受けることによって阻血を起こすのか単純なけん引がしびれを起こすのかは分かりませんが、痛みやしびれがこのけん引作用によって障害されることは十分に考えられます(神経そのものは圧迫には強い)。

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