歩く目的
その1でお伝えしたように、歩き方の言葉が独り歩きし始めると、伝える側が何を目的としてその言葉を使用するかが変わってしまい、更に情報が溢れ始めると、それぞれの解釈が交錯して訳のわからない方法になってしまいます。ここでは、あくまで歩くことによる疾病からの回復を目的とし、方法をご案内しておりますので、新たな気持ちで向き合って頂けると幸いです。
腕と体幹と下肢との連動について
その1では、下肢の動かし方についてご案内しました。
その2では、上肢(腕)の動かし方についてご説明したいところですが、その前にまずは、腕は体幹と連結していることを知ってください。
そして体幹は下肢と連結していることを知ってください。
つまり、上肢下肢は体幹を挟んで連結しているのです。
縦長の物体が倒れることなくたった2本の足で前に進み続けられるのか、皆さんは歩いているとき不思議に思われたことがないでしょうか。
私のような仕事をしていると、未だに不思議でなりません。
と言いますか、その仕組みを知ると、誰がこんな優れた生物を造ったのだろうなどと子供が考えるような心境になってしまいます。
バランスと周期性
バランスなんです。
下肢は上肢をバランスし、上肢は下肢をバランスするのです。
右下肢から左上肢へ、左上肢から右上肢へ、右上肢から左下肢へ、そして右下肢へ、、、と言った順番です。
ここで重要なのは、このようなローテーションが周期性を持った動きであり、何がこの周期を決定しているのかということです。
バランス保持は絶対で、周期性を確保する。
コンピューター仕掛けを思うので脳が、脊髄が、神経がって言われているのですが、構造がその動きについて行けなければ到達しえない現象が起こっているのです。
骨格構造によるからくり
この構造を説明するとなると大変なので、簡単に結論だけお伝えしますと、それが、鎖骨、肋骨、肩甲骨、骨盤、脊柱、とそれに付着する筋肉や腱板による構造です。
中でも骨盤はとんでもない機能を秘めた構造体です。
ですので、歩き方と一言に申し上げても、大変奥が深く、考えて歩くにしても限界があることを申し上げておきます。
身体で覚える、自然に歩く、とにかく慣れる、とにかく繰り返す、、、てことにつきるのですが、基本のようなことは知っておくべきだと思います。
その3では本当に、腕の動かし方についてご説明します。