歩き方その3

生活指導

肘は曲げて歩く

伸ばした際の肩への悪影響

ウォーキングとしての腕の在り方は、肘を曲げるという事です。
これは、下肢から体幹へ伝わる地面からの反力や下肢の振りによる体幹へのけん引力に左右差が生じるために、体幹には捻じれが起こり、捻じれた体幹と腕の振りによる肩部(腕の付け根)へのけん引力によって、肩部に大きな離開が生じ、肩関節および腱(けん)が損傷を受けることを肘の曲げとそれによる肩関節の曲げによって防ぐことが可能だからです。
実際、人は走るとき自然とこのような腕の形をとるのですが、歩くとなると走るときほどの衝撃やけん引力がかからないため、歩いているときは肘を伸ばしたまま歩きますが、歩行効率からすれば、効率が悪いと言えます。ついでに申しますと、肘を伸ばしたまま歩きますと、30分も歩くと重力と遠心力で手の指に体液が移動したまま戻りにくく、指がパンパンにむくんでしまい、なんとも不快な感じになります。

肩から体幹・下肢への悪影響

また、肘を伸ばした場合の肩関節への影響は、体幹のさらなる捻じれや不正確な下肢の動きを惹起してきます。
なので、普段の歩きまでそうする必要はないと言えるでしょうが、ウォーキングの際は、肘を曲げて歩くことで、歩行効率を上げ、体幹の捻じれや下肢の振りへの悪影響を防御するのが良いと思われます。

腕の振る際の注意点

腕の振り方としては、腕は前に振るのではなく、後ろに振るのが要領です。
その方が、前へ前へと進むのは体幹でなければならず、体幹は腕の振りによって推進力を得るのですが、腕を前に振るとその反動で体幹は後ろへ押されてしまいます。
腕は後ろに振る際に気持ちを込め、前に振られる際はやや脱力した感じにするとちょうど良いと言えます。
尚、腕振りも下肢と同様横方向に(外側に)逸れてはいけません。
また、肩に力が入り過ぎてすくむような恰好にならないようも注意しましょう(肩は下げて歩く)。